小谷野敦氏という評論家がいます。
氏の
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評論家入門―清貧でもいいから物書きになりたい人に (平凡社新書)
- 作者: 小谷野敦
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 新書
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を読めば、100人中99人、評論家を目指すことを断念するだろうという意味で、人生を間違う前の警告・忠告の書として、一度でもその種の職業を考えたことのある人は読むべき本だと思います。
その上で、100人中の1人たる覚悟がそれでも残れば、それは本物だと思うのです。
僕は、あっさり白旗を掲げ、ちょっとでもそんなことを考えた自分が恥ずかしいと思っています(苦笑)。
まあ、怪しいところから横入りする人はいくらでもいるでしょうけれど。
僕は、氏の論には、色々と異論があるところも実は多々多々あるのですが、仲の良い人でも、論壇にいる者の責任として、様々なしがらみも何もとっぱらって批判する、否定する、そういう責任感や勇気、覚悟、矜恃は凄いなあ、と思います。
論壇ミーちゃん的には、共に、ラディカルな評論で知られる右も左もぶった斬る、元祖ラディカルインテリゲンチャ呉智英氏を「心の師」と仰ぐ小谷野敦氏と宮崎哲弥氏の「三角関係」が気になるところです。いや、仲はいいんでしょうけれど。
宮崎哲弥氏は宮崎哲弥氏で、議論は議論として、意見の違いは違いとして、全ての人と良好でつつがない人間関係を築こうという自称「ラディカル・ブッディスト」ならではの、社交に対する考え方があるように思います。
宮崎哲弥氏の場合、昔の小林よしのり氏との喧嘩で、「言い過ぎ」て間違ってしまったことを踏まえてか、穏やかな仏教者たらんという意志が感じられ、その博識ぶりもあいまって、嫌いではありません。(穏やかな、という割には、その場を凍らせるシャウトを時々されるのが??ですが)
ただ、小谷野敦氏に「八方美人」と批判されたときには、どこかの新書書評コラムで、「私は、『もてる』『もてない』とか『バカ』がどうしたとう新書には興味がない」といった風なことを書いていて、これは、露骨に「もてない男」でスマッシュヒットをとばした小谷野敦氏へのあてつけだなと思いましたが、その後、小谷野敦氏の文章を評価して、ブッディストに戻ったようです。
でも、やはり、ブッディストとしても、「妻子が死んだらもちろん生ゴミに出す」というのは、失言だったと思います。
僕は、本来の原始仏教が、死後の世界や輪廻を否定していることを言いたかった気持ちは、ちっとも仏教を信仰していない(どころか信仰心そのものの欠けている根無し草たる)僕でもわかるのですが、「死」が「非意味」「非価値」であると言いたいなら、何も「生ゴミ」という、「負」の意味を持った言葉に「妻子の死」を託すことは無いわけで。
それと、さんざん、宮台氏あたりと反米論を打って、アメリカの暴走ぶりを批判していたのに、爆笑問題のバラエティ番組で、「親ブッシュ派」として髪型まで変えて出演されてたのは、芸人的な、「どっちでもこなしますよ」という柔軟さを見せたいのはわかるけれども、果たしてどんなものでしょうか。これも懇意にされている山本一太議員の代弁者役だとしても。
いや、共和党と民主党の国内政策の違いで判断して……と言われるかもしれませんが、イラク攻撃が、投票における大論点のひとつとならなかったところが、今のアメリカプロブレムの深刻なところだと思うので。