「2ちゃんねる」の名無しさんからの指摘(専門家)

表現があれなのは、2ちゃんねるの特徴なんでそこは割り引いて読んでください(汗)。傾聴に値する指摘です。どなたか「そうじゃない」という方、もしいたら、コメントください。

422 名前:名無しバサー[] 投稿日:2005/04/11(月) 10:54:14
デラさん
ブログ,少しだけ目を通させてもらいました.
日本の生態系という言葉に違和感を持っているようですが,生物相を見ると,日本には固有種が多く棲息しており,生態系を構成している生物群集を考慮すると“日本の生態系”
という言葉もあながち的外れではないかと思います.特に僕が研究しているグループは種レベルではなく,属レベルで日本のみ,それも本州にだけ分布しています.

ちなみに,僕個人はウイルス利用派です(そんな派閥無いけど).
要するに手間をかけずに徹底的に駆除できる方法を模索する派です.

423 名前:名無しバサー[sage] 投稿日:2005/04/11(月) 11:27:12
>>421
そのような思考ができるのでしたら、底抜け本の事例のおそらくはほとんどが事実誤認もしくはウソであることにも留意されたし。間違いやウソに基づく論理展開は例え論理に矛盾がなくても正当性がないですからね。例えばサツキマス
水口凶授はサツキマスレッドリストからはずされたのは国交省の陰謀だなんて妄想していますけど、サツキマスとは海に降ったアマゴの「個体」をそのように呼ぶだけの話ですよ。しかもひとつの河川ですべての個体が海に降るわけじゃない。つまり、独立した個体群じゃないんです。
残念だけれど、そうした「個体」だけをレッドリストに入れることはできないんです。
陰謀でもなんでもなくね。だから「アマゴと同じ亜種だから」という説明は間違っています。
それと、もうひとつ。仮に「サツキマス」が地域個体群だったとして、もしそれが健全な状態を維持しているのだったら、それが全国で唯一長良川にしかいなくても、やっぱりレッドリストには掲載されないんです。レッドリストには減少の程度が絶滅の可能性を示すものだけが掲載されます。健全なら掲載される道理がないんですよ。これも残念ながらですが。
ついでですが、最近研究(Zoological Scienceに掲載された論文)じゃ池田凶授もその効用を認めているDNA分析からヤマメとアマゴは差がないと言っていいほど近い関係にあるんですよ。
むしろビワマスはかなり違っていた。池田凶授のサツキマスの主張は、水口凶授の受け売りみたいだけれど、少しは「科学的な知見」ていうものを調べてからものを言った方がよいと思います。

424 名前:名無しバサー[sage] 投稿日:2005/04/11(月) 11:46:00
>>423
最後の部分、補足しておくと、ヤマメとアマゴが最近「の」研究ではDNAレベルで差がなかったというのはすべてにおいてまったく同じという意味ではありません。
分析方法を工夫すれば違いが見つかる可能性がありますし、表現形では色彩ではっきり区別できるのですから、両者が進化の産物であることに違いないんです。
言いたかったのは将来ビワマスレッドリスト絶滅危惧種として掲載される可能性があるということ。もし、ビワマスが減少を続けており、将来絶滅が危惧されるっていうことになれば、十分候補となり得ます。遺伝的に違うことが科学的に証明されたのですから。
これも水口凶授や池田凶授は川○部の陰謀だなんて言うのかしらん。

425 名前:僕(一部改ざん) [sage] 投稿日:2005/04/11(月) 12:25:18
>>422さん
>>423さん
>>424さん

丁寧な説明、ありがとうございます。
こういった指摘があるということを僕のブログにも載せることを約束します。
もしもそれにまた異論があったら、誰かコメントしてくださるでしょうし。

>>422さんのお話でもいまひとつ得心できないのは「日本の生態系」の部分です。
確かに、大陸から分かれてこの方、日本特有の種の多様性ができていて、濃淡はありつつも、かなり類似した生態系があることはわかるんです。ただ、以前、某さんがサンフィッシュ科は、北米原産だから、中国系よりも云々という説明をされたときに、でも北米といっても、ニジとバスでは違うし、中国系でもカムルチーとかあるし、と感じたことがあって、また、日本の生態系と言ってしまうと、モツゴとシナイモツゴの問題、悪食・貪欲な日本ナマズの拡散とか、オイカワ、モロコ、ゲンゴロウブナ、それと鮎といった遺伝子の多様性の問題は、隠れてしまうんじゃないかっていうのがあって。

426 名前:名無しバサー[] 投稿日:2005/04/11(月) 13:07:25
>>425

>日本の生態系と言ってしまうと、[中略]遺伝子の多様性の問題は、隠れてしまうんじゃないかっていうのがあって。

もちろん、それも問題視されています。
外来生物法ではとりあえず範疇外というだけで。

中央環境審議会 野生生物部会 外来生物対策小委員会の
外来生物問題に関する総合的な取組について(委員長談話) 」
ttp://www.env.go.jp/nature/intro/statement.pdf

あるいは、学者さんたちの議論のようすが知りたければ
外来種(移入種)対策小委員会の議事録をひっくり返してみてください。
ttp://www.env.go.jp/council/13wild/yoshi13.html