「正論」への疑問が頭をもたげる

しかし――

僕が本当に没頭した釣りが、ルアーフィッシングであったことが、この「正論」に、疑問を抱くようになったきっかけだったのでしょう。

いうまでもなく、ルアーフィッシングは、他の釣りと比較して、相対的に、キャッチ&リリースという行為とより密接な関係があるからです。

もっとも、ヘラブナ釣りもキャッチ&リリースが基本であるし、ルアーフィッシングだからといって、現在でもイコール「リリース」というわけでもないことは、ここで断っておきます。

日本の伝統的な釣りであるテンカラ釣り、餌木を使ったイカ釣りもルアーフィッシングですし。

僕も、シーバス――スズキまでいかないセイゴ・フッコしか釣ったことはありませんが――をルアーで釣ったときには、食べる分のみキープして美味しくいただくことがあります。

餌釣りでの、ハゼもキスもメバルカサゴもベラも――要するに、キャッチ&リリースをする釣り人が、キャッチ&イートを「野蛮だ」とか「動物愛護精神に反する」などといって批判している図などというのは、実体が無いということです。(リリースonlyの釣り人派に極端な考えの人間がいるかもしれませんが、少なくとも、僕の周辺にはいません)

ただし、どんな釣りでも、外道のクサフグが釣れては、防波堤に放置し汚し、ブルーギルが釣れたら護岸に放置し汚し、ボラが釣れたら――そんなのは論外です。せめて自分のやっていることを自覚してください。

また、外道でなくても、まだ小さな魚、食べきれない魚はリリースすべき、というのが、海釣りにおいても推奨されています。魚は無限にいるわけではないですから、資源保護の観点からでもあるでしょう。

これは、世界的な潮流であると、某名人や某世界的アングラーの方々が口を揃えておっしゃっています。

まあ、僕は世界の釣りについて知っているわけではありませんので、「世界にも色々ある」と言われれば、おっしゃることその通りと言うしかありませんし、「グローバル・スタンダード」という言葉などは、僕は嫌いなのですが。

まあ、日本では、バスなどの問題から離れて一般的に言えば、そういうことだと。