ブラックバス問題でも――
そういうのは「詭弁」だ、という言われ方をすることがあります。
小谷野敦氏について書いたところでも触れましたが、バスアングラー当事者が、水辺の惨憺たる環境の問題を言うと、「それは詭弁だ。だからといって、バスが免罪されるわけではない」といったような片付けられ方をされてしまいがちなのです。
実際には、いや厳密には、例えば水口憲哉氏にしても、「バスを問題にするのはおかしい。こっちの方を問題にすべきだ」と言っているわけではなく、水辺の環境破壊――水質汚濁、産卵場所・生育場所・稚魚の避難場所等々の役割を果たすエコトーンの破壊。つまり、浅瀬や、水生植物群をコンクリート化して無くしてしまった結果として、在来魚が生息できないような状況で出来た隙間に比較的、そうした影響を受けにくい魚が入りこんだだけで、定着後、安定する。むしろ、その原因の方が問題だ。放流事業無しには成り立たなくなってしまっている日本の内水面が問題だ」といった主張をしていて、フィールドワークもしています。
つまり、並列の問題をぶつけてバス問題を打ち消すとかそういう詭弁とは違う、因果とそれに比してのフォーカスのあて方のズレまくりを言っておられるわけです。
水口氏はわかりませんが、前にも述べたように、過去の知見や時代状況に基づかない、現在という高みからの断罪はすべきでないと僕個人は思っているので、それをもって、批判するというのは、少なくとも僕のスタンスではありません。
しかし、事実関係がそうであるなら、そうであると認識はされるべきだと思うのです。
よく、詭弁と見なされる基準として、
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の分類が引かれますが、そういう方には、是非、ラディカルな「暴論」で知られる(^^;;評論家・呉智英氏の著作を読んでいただきたいと思います。
確かに、普通の人が言わないような論ではあります。しかし、内容への賛否はともかく、氏がたびたび言う「ロゴス」――言葉および論理を表す言葉――に氏が常に忠実であることはわかると思います。
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もっとも、あまりに暴論――いやいやラディカルなので、手に入るかどうかわかりませんが(^^;;、これらにも「詭弁」というレッテルを貼ることが出来るのか気になるところではあります。